■「なんでもかんでも心配する必要ない」
その上で、今、個人がすべき対策として、小木曽氏はまず“パスワードの見直し”を指南する。
「まず、二段階認証や多要素認証はやって当たり前です。設定してなくて、金銭的な被害にあった場合、補償されない可能性もあります。その上で、パスワードの使い回しもやめてほしいですね。通常、専門家は『全てのパスワードを異なるものにしてください』までしか言わないですが、そうではなく、全部のパスワードを少しずつ変えればいいんですよ。
基準となるパスワード(1文字でも長いもの)を1つ覚え、サービスごとに自分が決めたルールで末尾に1~2文字付けるようにすれば、長くて1個ずつ違うパスワードができ上がりますよね。そのうえで、パスワードを設定する際には、誰もが知る言葉よりも、自分だけが知っている言葉遊びなど、絶対に辞書に載っていないものを組み合わせると良いです」
その上で、情報漏洩の不安が日々高まるなか、“冷静”になることが重要だと小木曽氏は説く。
「なんでもかんでも心配する必要はないんです。正直、メールアドレスが流出したとして、起きることは迷惑メールが来るかどうかですけど、もうすでに来てますよね。また、全世界に銀行口座の情報が漏れたといっても、起きることは、知らない人からお金が振り込まれる可能性があがるくらいですよ。
なので、何の情報が漏れて、その漏れた情報がどれくらいリスクがあるのかを判断してほしくて、漏れた情報が、ほんとにリスクがあってまずい時には慌ててほしいですし、急いで対応してほしいんですけど、そうではないときには、ゆったりと構えてもらっていいです。そういう判断や思考を高めてほしいです」
漏洩時における冷静な対応と意識の転換を求めつつ、今後の行方については、「収束する可能性はほとんどないと思っている」と、危機感を示していた小木曽氏。まだまだ安心できない日々は続くが、“正しく恐れる”ことが重要なようだ。
