■電話に出るのは「いい人」ばかり? 世論調査の意外な落とし穴
現在、報道各社が行う世論調査では、RDD(乱数番号法)という電話調査が広く使われている。コンピューターで電話番号を無作為に発生させ、固定電話や携帯電話にかける方法だ。
ところが、最近では知らない番号からの電話に出ない人も増え、回答率の低下が問題になっているという。
「かつて行われていた面接調査では、回答率が80%程度に達することもありました。しかし、現在のRDD方式による電話調査では30%台ということもあります。回答率が低いと、調査に協力的な人の意見に偏る可能性があるんです」(岩本氏)
こうした状況について、世論調査の専門家の中には「いい人調査」と呼ぶ人もいるという。岩本氏はこう解説する。
「世論調査は、たとえば1,000人から回答を得ればいいというものではありません。大切なのは、どんな人たちから回答を得たかです。電話に出ない人へのかけ直しを十分に行わず、次々に新しい番号にかけて回答者を集めれば、調査に協力的な人の意見に偏る可能性があるんです」
じつは電話の“しつこさ”も調査結果に影響を与える可能性があるという。
岩本氏がNHKで調査を担当していたころは、無作為に選んだ世帯に何度も電話をかけ、不在なら回答者が帰宅するまでかけ直すことも行っていた。
「しかし、それには大変な手間と時間がかかります。かといって、回答数を確保するために電話番号を追加すれば、当初の抽出設計に影響する可能性もある。非常にむずかしい問題です」
実際に各社がどのように電話をかけ、回答者を確保しているのか。「その詳細は十分に公開されておらず“ブラックボックス”だ」と岩本氏は指摘する。
出典元:
関連カテゴリー:
