NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のクランクアップから数日後、主演を務めた岡田准一(34)はとてもやさしく、どこかすっきりしたような表情だった。

 

「クランクアップの2日後の朝にヒゲをそったら、ずっと近くにいた官兵衛がいなくなってしまった気がしました。1年以上ずっと作品について考え続け、考え抜いてきたものがなくなって、なにかが抜けたのかな。撮影中は台本以外の本を全然読めなかったので、物語に飢えているのか、いまは目が痛くなるほど本を読み続けています」

 

いよいよ最終回を迎えるが、クランクアップ会見では、クライマックスの映像を見た取材陣がどよめいた。如水(官兵衛)の姿に、驚いたのだ。

 

「前半の甘い官兵衛から、中盤は一般的に知られているダークな姿に。そして最後、天下を狙っていくなかで、新たな“官兵衛像”を打ち出したいと考えました。僕が本当にリミッターをはずしたのはラスト3話。暴れています。歴史の面白さは、人の面白さにあると思っていて、人物像を強く出そうと少しやりすぎたかもしれない(笑)。支えてくださった地元の方に怒られないか心配ですが、『官兵衛を生き抜いている』と感じていただけたらうれしいです」

 

『軍師官兵衛』を終えたいま、感じていることは?と尋ねると……。

 

「若いころ、僕の仕事を見ていた祖母に『なんちゃわからん』ってよく言われていたんです。祖母にわかってもらいたいと思って、時代物の映画(’12年『天地明瞭』、’13年『永遠の0』など)や『軍師官兵衛』をやらせていただいた部分もあって。そのなかで、いままで芝居で悩んできたことや、積み重ねてきた教訓が役にたって、先輩に『時代劇を継いでいってほしい』と言っていただけたことも。いま大きな目標をもつことができて、誰かのためにしたことが、自分に帰ってくることがあるんだと実感しています。亡くなってしまったので、祖母には『天地明瞭』までしか見てもらえなかったけど、祖母のおかげでたくさんのいい作品に出会えました」

 

記者がつい「必ず見ているはずです」と口に出すと、岡田は「そうだね」と微笑んだ。