「いちばん好きなのは、ステージ上でボロボロになれること。殺陣のあとは、這いつくばりながら(堂本)光一くんと『よく生きてたね』って(笑)。これだけつらい精神状態になるのは『SHOCK』だけです」
舞台『Endless SHOCK』の公演前にイキイキとした表情で語ったのは屋良朝幸(33)。ジャニーズに詳しくない人や舞台に興味がない人には、屋良朝幸は聞き慣れない名前かもしれない。歌手としてCDデビューせず活躍しているジャニーズといえば、生田斗真や風間俊介がいるが、屋良もそのひとり。舞台を活動の中心とし、振付師の顔ももつ異色の存在だ。
’00年の舞台『PLAYZONE THEME PARK』から、多数の作品に出演し続け、’12年の『道化の瞳』からは、毎年コンスタントに主演ミュージカルも上演。だが、順風満帆ではなかった。
「デビューへの葛藤はありましたね。苦しい時期のほうが長いんじゃないかな。後輩に追い抜かされていく焦りもありましたし、20代前半くらいまでは、このままでいいのかなって思ってました。でも、僕にはダンスがあったから。昔から、怒られながら自分たちの振付をしたりとか、ジャニーズにないものをやろうと、ブレずにやってきたつもりです」(屋良・以下同)
’06年に堂本光一のソロコンサートで初めて振付を担当。それをきっかけにタッキー&翼や嵐、関ジャニ∞らの楽曲も手掛けた。
「ずっと見ていてくれた光一くんが、僕に声をかけてくれたことで、振付師という道につながったんです。今では、こっちのほうが向いてるかなって(笑)。自分の振付で、相手が変わっていく姿を見るのが楽しいんですよ。僕は絶対に妥協しないので関ジャニは『まだやるん?』とか言いますけど、ほぼ同期なので関係なく続けますね(笑)」
俳優、振付師、ダンサーとして、今後の屋良朝幸は?
「自分はスターではないし、ほかの人に比べたらそんなに華もない。舞台に立っているだけでは絵にならないけど、パフォーマンスで魅せたい人間なんですよね。その中で、努力だけは絶対に裏切らないって、今でも思ってるんです。日々、昨日の自分よりよくなっていたい。それが『ストイック』と言われるけど、ただ好きでやっているだけなので。これからも、今、この瞬間をがんばっていきたいと思っています」