image

《顔認識登録 40代 ノーメイク、ロング! 会員証、身分証、貸出可能です。万が一、入場できなかった場合は補償は致しかねます》

 

嵐のアリーナツアーが4月23日からスタート。ネットのチケット転売サイトの最大手『チケットキャンプ』には、冒頭のような“自分の容姿”を書き込んだ出品者がずらりと並んでいる。定価9千500円のチケットを、この出品者は「22万円」で出品していた。だが、なかには「42万円」という超高額の出品も! 驚くことに、この42万円の転売チケットは、買い手がついてすでに「取引終了」になっている。

 

今年2月、こうした高額転売の増加を受けて、ジャニーズ事務所は嵐のアリーナツアーで“顔認証”を導入すると告知した。ツアーでは、チケット申し込み時にメール送信した顔写真で、当日の入場時に本人かどうかの顔認証を行うという。そのため、冒頭のような“容姿説明つき”のチケット出品が増えているのだ。とくに問題になっているのが、“ネット転売屋”の存在だと、関係者は口を揃える。ファンが不要になったチケットを売ったりするのとは違い、最初から転売で利益をあげることだけを目的に、チケットを買い占める迷惑な存在だ。では、ジャニーズ事務所が導入した顔認証とは、どんなものなのだろうか?

 

「今回から導入される嵐のコンサートでの“顔認証”は、ももクロやB’zがライブで採用してきた、コンピュータを利用した顔認証システムではありません。当日、係員が肉眼で、事前に提出されている顔写真と来場者が同一人物かをチェックします。係員が見て容貌が違うようであれば、本当にチケットを購入した人間かどうかを身分証などで確認することになるので、転売チケット購入者の入場はほぼ不可能でしょう。すでに2月の渋谷すばるのコンサートでも同じ方式の顔認証を導入して、成果を挙げています」(ジャニーズ事務所関係者)

 

実際、顔認証導入でトラブルはないのか。嵐の“肉眼チェック”とは違うが、ももクロなどのライブ入場で、コンピュータ判別による顔認証システムを運用する、株式会社テイパーズの冨澤孝明常務に聞いた。

 

「チケット購入者と別の方が来て、お帰りいただいたことはこれまで数件あります。顔認証システムで別人と判定された場合、さらに目視確認、写真付き身分証の確認もして三重にチェックしています。そのため、チェックをすり抜けてのなりすましの不正入場は、一件もありません」

 

“顔認証”導入で、より多くのファンに、適正な価格でチケットが届くようになることを願いたい――。

関連カテゴリー: