静岡県熱海市にある『東友熱海荘』。神奈川県鎌倉市にある『鎌倉荘』そして、栃木県日光市にあるホテル『きぬ庵』。これらは、すべて東京電力の福利厚生施設や所有するホテルだ。だがこれらの素晴らしい豪華施設は、現在すべて休館している――。

福島第一原発の放射能漏れ事故により、多くの人々が着の身着のまま避難を余儀なくされ、その受け入れ先を探している。自治体だけでなく、天皇・皇后両陛下までもが受け入れを進めるなか、東電の保養施設が、今も誰にも利用されないままになっていたのだ。

東電は独身寮168、単身施設66、厚生施設22など合計461の福利厚生施設を保有している。なぜ開放しないのか。東電担当者に「独身寮の空き部屋を開放しないのか」と問い合わせたところ、「ワンルームなので、家族には適していないと考えております」との回答だった。

「保養施設が休館状態なのはもったいないのでは?」とも聞いてみたが、「あのー、あのー、避難者の方のニーズの関係とか宿泊施設の方の受け入れる方の(事情?)とかありますので……」と歯切れの悪い回答だった。保養施設の実態と東電による回答を本誌で追跡取材!

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