22日、東京・豊島区のにしすがも創造舎体育館で、舞台『血の婚礼』の公開稽古と取材が行われた。取材には俳優の窪塚洋介(32)、女優の中嶋朋子(40)、演出家の蜷川幸雄(75)らが登場した。同作は、蜷川が結成した『大規模修繕劇団』の旗揚げ公演で、婚礼の席上から駆け落ちした女と男のその後の物語を描いていて、出演者は90分間雨が降り続く舞台の中で演じる。蜷川は「稽古で骨折者が1名、滑って頭を打った人が1人。苦難の公演ですが、我々の激しい試みを支援してくださることを、お願いいたします」と雨に打たれながら演技する過酷舞台で怪我人が出たことを明かし、思いを語った。窪塚の魅力については「彼が中心になってリードしてくれる。普通と違う個性を持った俳優さんが、雨にめちゃくちゃに打たれて、みんなを引っ張り続けるところ」と話し絶賛した。窪塚は東日本大震災に触れ「自分の命、皆の命を板の上で響かせ合って、みんなの元気につながることを祈ってます」と抱負を語った。蜷川は、会場が閉校した体育館を使用しているとあって、「大災害があったとき、避難する場所である体育館でやることは、何か象徴的な意味があると思います」と語った。(撮影:河崎文雄)