政府は、来年1月から始まる通常国会で、2010年代半ばまでに“消費税10%”へ引き上げる法案(政府・与党素案)を通すべく、議論を本格化させている。国民に増税を強いる前に、公務員制度改革、天下り問題、議員定数の削減など、無駄な歳出をすべてカットしてから、増税論議をするべきだという声も多いのだが……
「法案が通れば、毎年そのうちの1%(2兆円以上)を基金年金に入れます。今でも税金が入っていますが、これに追加することにより、基礎年金の半分を税金でまかなうことになる。そうなれば、年金財源が長期的に安定します」
そう語るのは、元厚生労働大臣で“ミスター年金”こと、民主党の長妻昭代議士(51)。長妻代議士によると、天下りの問題に関しては、民主党内で『行政改革調査会』というものをつくり、さらに厳しい姿勢で臨むという。その上で、消費税引き上げについてこう話す。
「これから高齢化が進むことで、毎年1兆円ずつ社会保障費が増えていきます。それは年を追うごとに、年金受給者が増えていくからです。それに対応するためには、やはり消費税しかないのです」
しかし、現役世代の間では、“我々が支給されるころには、年金制度が破綻していて、もらえないのでは?”という不安を口にする人も少なくない。それについて、長妻代議士はこうも述べる。
「年金は、国がある限り支払います。保険料を納めていただいているのですから。そのために、消費増税を含む社会保障関連の法案を提出するのです。国民にとって最悪なのは、政権が交代するたびに年金制度が変わること。今の日本は、政権がどっちに代わってもおかしくない時代ですからね。そうならないよう、与野党で合意した制度を作るべきです」
老後、年金が“安泰”の時代は、もう過去の話なのだろうか……。