「除染したつもりでも、見落としているものは意外にあります。普段、洗ったり、埃を落としていないモノ。たとえば、ベビーカーや自転車、三輪車。子供のランドセルやリュック。土や芝生の上を転がる、サッカーや野球やテニスのボール。また車では、チャイルドシートやシートカバーなど、家の中をもう一度見つめ直したほうがいいでしょう」

そう語るのは、日本放射線安全管理学会セシウム対策委員長の西澤邦秀・名古屋大学名誉教授。除染という言葉が浸透してきた今でも、家庭内にはまだホットスポットが残っている可能性があるという。

西澤教授はそれらの除染策として、洗濯機で洗えるものは二度洗い。ボールなどは洗剤を使い丸洗い。丸洗いできないものはお掃除用粘着テープで埃を取った後に掃除機をかけ、最後に水拭きすると効果的だと語る。

また、放射線環境地学を専門とする琉球大学の古川雅英教授は、それら以外に「家庭内ホットスポット」として“意外なモノ”を挙げた。

「ペットのフンも要注意なんです。特に小鳥のエサは、人の食べ物のように明確な基準値がなく野方図状態。放射性物質に汚染されている危険性があります。そのエサを食べた小鳥の糞に含まれた放射性物質が、室内に漂いかねません」

さらに、ペットの犬や猫も要注意だと警鐘を鳴らす。

「室内で飼っている犬も外を散歩しますし、猫はもっと自由に家と外を行き来する。そんなペットに防護服を着せたり、帰ってきたとき毎回シャンプーをしたりするのは難しいかもしれませんが、放射性物質を室内に持ち込む恐れがあることは認識しておくべきでしょう」

【関連記事】
「除染士」に転身した女性が涙で語った“覚悟”
都内在住Aさん「マイカーから4倍の放射線量が検出」
我が子の靴ひもが“ホットスポット”に

関連カテゴリー:
関連タグ: