NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』でヒロインを演じる尾野真千子(30)。視聴率が好調の今、彼女の原点を取材すべく本誌は奈良県の吉野にある実家を訪ねた。吉野の山中にある彼女の生家は曲がりくねった山道の先にあった。玄関には『カーネーション』のポスターが貼られていた。

尾野が演じる小原糸子は4人姉妹の長女だが、彼女も4姉妹の末っ子として育った。向かいの家も遠く離れ、学校は山の下まで降りてスクールバスで通うという環境のなか、彼女は姉とともに山を駆け回っていたという。母・孝子さん(62)は、泣き笑いの顔でこう語ってくれた。

「4人姉妹の長女から“子”、二女から“千”、三女から“真”、姉たちから1字ずつもらって“真千子”です。『芸名はどないする?』というときに『お姉ちゃんたちの名前をもらったんで、芸名はつけない。姉妹の応援があるから変えない』と、言ってね。それ、聞いたら嬉しくてね」

幼いころの尾野は引っ込み思案だったという。転機が訪れたのは中学3年のとき。奈良県在住の河瀨直美監督がスカウトしたのだ。父には大反対されたものの、本人の強い意志から河瀨監督にとっても初めての作品だった『萌の朱雀』(’97年)出演を決意。主役に抜擢された尾野は、シンガポール国際映画祭でいきなり主演女優賞を受賞した。その後、地元の高校を卒業し、単身上京することに。

「お父さんは『お金送ったらあかんぞ』と言って、一銭も送らず、定期の通帳のお金をちょっと持っていっただけ。心細かったと思うけど、バイトを探してね。不動産、眼鏡屋さん、スナックにもバイトに行って。そこの人たちが皆いい人ばっかりで友達もできてね」

彼女は弱音を吐かず、必死にお金を稼ぎながら女優の夢を追いかけた。以後、下積み時代を続けながらも、様々な話題作に出演していく。そして彼女の悲願でもあった朝ドラのヒロインのオーディションに、節目でもある30歳の時に合格したのだ。1千850人の応募のなかから見事、射止めたヒロインの座だった。

「私には、演技力というのはわからへんねんけど、テレビ見てたら、ああ、頑張ってるなぁと思うて。いつの間にか、姉妹のなかでいちばん根性あるんやないかと思うくらいになって……。あの子は皆さんに育ててもらったんです」

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