「明日にでも起こるかもしれない”首都直下型地震”。新聞やテレビなどは、連日のようにその危険度をあおっていますが、実は東京にも、地震に強い地域があることについては報道されてません。そこで東京が大地震に襲われた場合、建物倒壊、火災などのリスクが低い”安全な街”について、あらためて検証してみました」と語るのは、災害危機コンサルタント・堀越謙一さん。

2月21日、国の中央防災会議が、首都直下で起こる東京湾北部地震に関する新たな調査結果を発表した。その調査で、地震を起こすプレートの境界部の深さが以前の調査(30〜40キロメートル)よりも約10キロメートル浅くなっていることが判明。同会議は、震源地点が地上により近くなったことで、これまで想定していた最大震度(6強)を7へと引上げた。

今回、東京「首都直下型地震」に強い街ランキングを作成・監修してくれた堀越さんによると、「都内で災害リスクのすくない街を分析した結果、東京西部地域の市部が上位を占めました。東京西武地域は、武蔵野大地や多摩丘陵地など、地盤が安定している場所が多いことが大きな理由です」とのこと。これまでの地震でも、東京東部地域である23区と、東京西部地域である市部の震度は、1程度異なっていたという。つまり、いま予想されている震源地が太平洋側であることから考えると、やはり西武地域の方が総体的に災害危険度は低いといえそうだ。

以下の、東京「首都直下型地震」に強い街ランキング・トップ10は、東京都が5千99町丁目を対象におこなった『地震に関する地域危険度測定調査』(2008年度)を基に、さらに地盤の強弱、木造住宅率、密集度、液状化、火災延焼などのデータを独自に組み入れて算出、ランキング化した。

【1】町田市小山ヶ丘6丁目(JR横浜線・京王相模原線「橋本」駅の北方約1.5km)
【1】八王子市七国4丁目(JR横浜線「八王子みなみ野」駅の南西方約2km)
【1】昭島市上川原町1〜3丁目(JR青梅線「昭島」駅の南方に位置)
【1】新宿区神楽河岸(JR中央・総武線「飯田橋」駅の西側に位置)
【5】昭島市つつじが丘2丁目(JR青梅線「昭島」駅の北東方に位置)
【6】八王子市みなみ野1丁目(JR横浜線「八王子みなみ野」駅の西側)
【7】町田市小山ヶ丘1丁目(京王相模原線「多摩境」駅の東方約1.5km)
【7】多摩市永山7丁目(小田急多摩線「小田急多摩センター」駅・京王相模原線「京王多摩センター」駅の南東約1.5km)
【9】町田市小山ヶ丘2丁目(小山ヵ丘地区は多摩丘陵地帯に位置し地盤が安定)
【10】多摩市鶴牧4丁目(小田急多摩線「小田急多摩センター」駅・京王相模原線「京王多摩センター」駅の南西約700m)

今回のランキングに住んでいるからといって、その街が絶対に安全というわけではない。やはり、事前の対策や普段からの心構えが肝心なことはくれぐれもお忘れなく!

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