3月27日、東京・成城の東宝スタジオで、2010年10月に、86歳でなくなった女優の高峰秀子さんを偲ぶ会が営まれ、夫で映画監督の松山善三氏(85)、女優の司葉子(77)、俳優の宝田明(77)ら映画関係者400人が参列した。
会場には、73歳の時に撮影した写真の他、著作や出演作のスチール写真が飾られ、デビュー作『母』や、『二十四の瞳』『浮雲』など代表作の映像を上映。日本映画のトップスターとして300本以上の作品に出演した故人をしのんだ。松山氏は「うちの嫁さんのためにおいでくださいましてありがとうございます」と挨拶。
映画『ひき逃げ』などで共演した司は「撮影の合間に、セットの火鉢でめざしを焼いて一緒に食べた。ぶっきらぼうだけどぬくもりのある言葉が忘れられない」と撮影の裏話を話し、「プロデューサー・司葉子、演出・高峰秀子で舞台をつくりたかった」とくちびるをかみしめた。
また、松山氏と養女の明美さん(56)が、高峰さんの遺志を継いで、映画界に長年貢献してきたスタッフを顕彰する財団法人『一本のクギを讃える会』の設立を報告。併せて最初の贈賞式も行われ、メークの小林重雄さん(故人)、スクリプター・製作の野上照代さん(84)に賞を贈った。(撮影:江口明裕)