3月30日、政府はこれまでの福島第一原発から20キロ圏内の「警戒区域」と放射線量が高い「計画的避難区域」を新たな3つの避難区域に再編することを発表した。

「新たな基準となったのは原発からの距離ではなく、その地域の実際の放射線量です。年間50ミリシーベルトを超える『帰宅困難区域』、20~50ミリシーベルトの『居住制限区域』、20ミリシーベルト以下の『避難指示介助準備区域』の3つにわけられます」(復興庁関係者)

帰還困難区域になると、居住どころか立ち入り自体も禁止となる。そんななか、本誌は政府が作成した「帰還困難区域」の予定地図を入手した。地図には、福島第一原発から北西の方向に黒い線が引かれ、福島県の一部地域がその線で囲われていた。

「これは復興庁が作成した地図です。年間の放射線量が50ミリシーベルトを超えると予想される『帰還困難区域』は立ち入り禁止にするというもので、住民が黒い線で囲われた区域に入れないように、バリケードで封鎖するための計画図なのです」(前出・復興庁関係)

封鎖線の全長は88キロにも及ぶ。今回、取材したところ、バリケード封鎖される地区の住民たちの中にも、地図の存在を知らない人も。政府は地域住民たちに知らせることなくバリケード封鎖を画策しているのか。そして封鎖は、いつから実施されるのだろうか。

「地元から同じ町会や集落内にラインが引かれて引き裂かれるケースなど、問題点が噴出しています。そのため、復興庁と地方自治体との議論が進んでいません。政府としては5月中に封鎖区域を決定したいのですが、どうなるかわかりません」(前出・復興庁関係者)

実際、バリケードの写真を見たことがあるという建設業者は、絶対に匿名を条件に本誌の取材にこう答えた。「鉄製みたいで、2メートル以上ありそうなかなり大きなものでしたね。色は青かったと思います。建設現場にあるパネルのような感じがしました」

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