17世紀オランダの画家、フェルメールが描いた名画中の名画『真珠の耳飾りの少女』の来日に合わせ、『真珠の首飾りの少女』も初来日となり、話題を呼んでいる。

『真珠の耳飾りの少女』は6月30日〜9月17日、東京・上野公園の東京都美術館企画展示室で、『真珠の首飾りの少女』は6月13日〜9月17日、上野公園の国立西洋美術館で、それぞれ公開される予定だ。

光を自在に操り、写実性の高い描写を得意としたフェルメール。彼の作品を研究し、『フェルメール論』など10冊以上の関連著書を執筆した、フェルメール研究の第一人者の目白大学・小林賴子教授はこう語る。

「フェルメールの現存作品は、わずか30〜35点。43年間の生涯(制作期間は22年)で描いた作品は55〜60点ほどと推測されます。大きな絵を描くことはほとんどなく、『真珠の耳飾りの少女』もかなり小さな作品です」

1つの絵にじっくり取り組む画家だったようだ。鑑賞者に与える印象を周到に計算して作品を描いていることからも、緻密な性格が窺えると、小林教授は分析する。

「裕福な義母と同居しており、パトロンにも恵まれたことで、お金には余裕があったのでしょう。妻とのあいだには14〜15人もの子供がいました。真面目な好青年で、周りからの信頼も厚かったようです」

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