今年の春の叙勲で『旭日小綬章』(勲四等)を受章した岩下志麻さん(71)。夫である映画監督・篠田正浩さん(81)とは、今年で結婚45年になる。二人が出会ったきっかけについて、岩下さんはこう振り返る。

「篠田とお付き合いするようになったのは、彼が監督をした『暗殺』がきっかけでした。映画の打ち上げが東京・赤坂のナイトクラブであって、篠田と当時はやっていたマンボを踊ったんです。そのときふと『ああ、私はこの人と結婚するな』というひらめきがあったので『私、監督と結婚するような気がします』と言ったら、彼はあぜんとして踊りをやめてしまいました」

子供のころから束縛されるのが嫌いだった岩下さんは、それまで結婚願望はゼロだったという。
しかしなぜか23歳で、自ら「結婚」を口走ってしまった。それがきっかけで交際がスタート。

「後日、そのとき(踊りながらの告白)のことを篠田に聞いたら、『会社は”清純”で売っているけど、とんでもない不良女だ。ああ言って、いつも男を口説いているんだろう』って思ったそうです(笑)」

交際から約3年後の’67年3月3日、26歳のときに京都の大徳寺高桐院で結婚式を挙げた岩下さん。‘73年6月には、32歳で長女を出産し、母となった。

「欲を言えば、もう一人子供がほしかったですけど、仕事で忙しかったり、高齢出産はどうかと躊躇しているうちに40(歳)になってしまって……。娘のためにも、もう1人産んでおけばよかったかしらと、いまでも思いますね」

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