グループサウンズ全盛だった’60年代末、「ザ・スパイダース」のメンバーだったムッシュかまやつ(73)は、ひとりの少女に出会った。少女は海外の音楽情報に精通し、ムッシュにも「今、イギリスではこういう音楽が人気よ」と教えていたという。

「よく楽屋に遊びにきてね。海外に友人がいるらしく、とってもコアな情報に詳しい、今でいう”オタク”の変わったコだなぁって思ったの」(ムッシュ)

その少女こそ、7月5日にデビュー40週年を迎える「ユーミン」こと荒井(現・松任谷)由美(58)だった。’72年、彼女のデビュー曲『返事はいらない』をプロデュースしたのもムッシュだ。

「ユーミンの意図している音や詞の表現を、なんとなく理解できる大人が集まって、わいわい楽しく作ったんです。そのときすでに、みんなで応援して盛り上げようと思えるものを持った、稀有なミュージシャンだったね。彼女の感性は、想定外というか、天才だと思った」

「キャンティ族」と呼ばれる文化の発祥地となった、六本木のイタリアンレストラン「キャンティ」にも通っていたというユーミン。ムッシュが抱く彼女への印象は、その当時から今でも変わっていないという。

「出会ってからしばらくたったころ、彼女に『一年中、生理の女のコみたい』と言ったことがあるの。でも、これは僕なりの褒め言葉。いい意味での暗い感じ、ネガティブなイメージがあった。いまでも少女の面影が残ってるでしょ? 下品だけど『死ぬまで生理あがんないなー』って感じで、これからもずっと女性の旗頭でいてほしいね」