民主党政権下で、ひっそりと始まる新しい増税「環境税」。それが本来の目的とはほど遠いものになりそうだと語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。その理由について、荻原さんは次のように語った——。

環境税というのは地球温暖化を防ぐため、CO2をたくさん排出しそうな「原料に税金」を課して、その消費を抑えていこうという趣旨のもとに検討されました。対象になるのは「原油・石油」「ガス状炭化水素」「石炭」の3項目です。この10月1日から環境税の導入が始まります。環境省の試算では10月からの当初1年間は1世帯当たり年間約200円の負担増に。その後、3年間で段階的に上がっていき、平成28年度からは年1千200円(月額約100円)の負担増となります。

しかし初年度は1世帯当たり年間約200円の増税額ですから、国民に増税の実感はほとんどないはず。負担が少ないのはいいのですが、これではガソリンなどの消費を抑えて、CO2の排出を減らすというのは難しいのではないでしょうか。たばこ税や酒税のように末端商品に税金を課せば、購入者が価格が高くなったことを実感し消費を控える効果を狙うことができます。

当然今回も、スタンドで売られるガソリンやガス料金などに反映されるべきでした。個人がガソリンを入れるたびに値上げを実感し、消費を控えるようになるのが理想的でした。

しかし結果としては、単なる便乗増税となってしまいました。集めた税収を、政府はCO2排出削減のために役立てると掲げてはいますが、実際にはどのくらい充てられるのかも不透明です。なぜなら徴収した税収(初年度391億円、平成28年度以降2千623億円)は、使い道が決まっていない一般財源に組み込まれることになっていて、そこから環境関連のものに使われると、うたわれてはいます。しかし、消費税で取りざたされているように、公共事業に回る可能性もなきにしもあらず。それこそ環境に悪い事業などに使われないとも限りません。

環境税という名のもとに徴収した税収ですから、脱原発や、それに代わる再生可能エネルギーの推進に充てて、本当の意味で私たちの環境を守るために役立ててほしいもの。環境税は1世帯あたりにすると、微々たる増税とはいえ、国全体では大きな額になります。これから私たちは、自分たちの払った税金の行き先を、見届けようとする意識を持つことが大切だと思います。