「‘11月に主演舞台があるのですが、開演は午後7時半にしてもらったんです。5時半まで会社があるので(笑)」
こう語るのは『3年B組金八先生第2シリーズ』(‘80年・TBS系)の加藤優役だった直江喜一(49)。「おれたちは腐ったミカンなんかじゃない!」の名台詞で知られる直江は30歳で役者を引退し、建設会社に就職。現在は営業所長を務めるサラリーマンだ。今回、19年ぶりの本格的な芸能活動再開に当たり、会社勤めを終えた夜に話を聞いた。“伝説の不良少年”も、建設現場で鍛えられ、ややふっくら。貫禄はたっぷりだ。
かつては“加藤優”のイメージが強すぎて、俳優として仕事に恵まれず引退したとも報じられた。
「僕自身は役のせいだとは思っていません。単純に当時は仕事が少なくて、ペンキ塗りのアルバイトをしながら役者をやっていました。バブルの終わりごろ『あと1本仕事がきたらやめよう』と決めて、そのとおり役者をやめ、サラリーマンになったんです。建設業の会社が拾ってくれて、僕の人生が変わりました」
警察に逮捕される伝説のシーンがいまも思い出される、加藤優。そんな札付きのワルを演じた直江は、最近の“いじめ問題”についてこう語る。
「僕も加藤を演じた当時、街でからまれたりしましたね。説明しても、そもそも話が通じない相手ばかりだった(笑)。いまの子供たちには、勇気をもっている子が少なくなっちゃったのかなと感じますね。いまの時代だと、加藤優がいても浮いちゃうだけかも。彼は、古きよき“昭和の番長”ですから」
最後に今後の抱負を聞いた。
「これからは、舞台やライブを10年くらいはやっていきたいです。いつまでも“金八の加藤”じゃないですから。お客さんに喜んでもらえるものをお見せできるよう、レベルアップを目指して頑張っていきたいですね!」