尖閣諸島の土地を日本政府が購入したという報道をきっかけに、中国各地に広がった反日デモ。日本車のディーラー店や日系スーパーなどは、略奪や放火の被害を受けた。その背景に関して、中国問題に詳しい評論家の宮崎正弘さんが語る。

「’89年の天安門事件で民主化運動を嫌った江沢民元主席が始めた愛国主義教育が、日本企業への不法行為の根本にあります。この行きすぎた愛国主義が”愛国無罪”といわれ、それを建て前に不法行為を繰り返すのです」

彼らは、どんな教科書で学んで、教育されてきたのか?

中国の大手教科書出版社で、人民教育出版社が刊行する高校生用の教科書『中国の歴史』の日本語訳版には、日本人がいかに残虐な民族であるかを記述している。

《日本軍は旅順で驚くべき大虐殺をおこなった。日本軍は「一箇所に数人の中国人を縛り、槍で突き、刀で身体をこなごなな肉片になるまで切り刻んだ」。西方のジャーナリズムこれを批評して「日本は文明の衣をまとった野蛮な筋骨の怪獣である。日本は既に文明の仮面をとって、野蛮な顔を露呈した」と報じた》(原文ママ)

この教科書の日本語訳版の出版に携わった関係者は、匿名を条件にこう明かした。

「中国の歴史教育は戦争の被害を大げさにするいっぽうで、自国の汚点である文化大革命や天安門事件を隠ぺいして、いっさい教えないということです。日中戦争の死傷者数は終戦当時1200万人といわれていました。しかし、江主席の反日教育の下では3500万人にまで膨れ上がりました。数字を改ざんすることで中国政府が、国民を”反日”に洗脳しているのです」

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