『相棒 Season11』(テレビ朝日系)第1回は、今クール連ドラトップの視聴率を獲得した。主演・水谷豊(60)の盤石ぶりを支えるのはご存知、伊藤蘭(57)。2人は’82年のドラマ『あんちゃん』(日本テレビ系)で知り合い、’89年にハワイで挙式した。その数年前スランプの時期もあった水谷だが、再婚を機に順調な俳優生活を取り戻し『相棒』での再ブレイクにつながっている。
「伊藤さんの気を使いすぎるくらいの接し方が、水谷さんを飛躍させたのでしょう」
と語るのは夫婦・家族問題コンサルタントの池内ひろ美さんだ。デビュー当時、水谷さんの追っかけで、蘭さんはキャンディーズ時代からファンだったという彼女は、まさに長年の”水谷夫妻ウォッチャー”。そんな池内さんが、蘭さんの夫を伸ばす気遣い伝説――ホントの相棒力を教えてくれた。
●おばかのふりをする賢さ「前と同じ服を着ないでね」
水谷は’86年に前妻と離婚。伊藤との再婚が取りざたされるとマスコミを避け極秘でハワイ挙式した。その直後の記者会見で、式の前に伊藤から言われたひと言を水谷が披露すると、ピリピリしたムードも和んだ。
「蘭さんは言葉のセンスもあるので、あえてちょっとだけおばかさんのふりができる賢い方。深刻になりすぎず、夫の緊張感をほぐしてあげられるあの余裕が、夫をもり立てることができるいい妻の見本なのです」(池内さん)
●マイナスもプラスにかえる包容力「海が見える方向が違うと思うの」
極度の方向音痴で有名な水谷の運転で旅先に向かう途中、道を間違えたと気づいた伊藤がとっさにかけたのが、この夫を傷つけない名セリフだった。
「男の人の方向音痴を女性は許せないときがあります。道を間違えたりするとののしって、ひどい言い方をしますが、それは男の人をつぶす言葉。賢い女性は夫の間違いを指摘しません。逆にマイナスもプラスに変えてメンツを立ててあげることを忘れない。そうすると男の人は外でいい仕事をします」(池内さん)
●相手の欠点を受け入れる
水谷は「ファッションには構わないほうで、ほとんど蘭さん任せ。チェックなしで出かけようとすると止められて”全とっかえ”されることもある」と語っている。
「ドライブの件といい、蘭さんは相手の欠点も愛し、そのまま受け入れていますね。俳優の妻としては理想的。そして一歩でも外に出るなら、いつも”水谷豊”でいられるようにサポートされている」(池内さん)
有名な、お互いに「さん」づけで呼び合うのも「適度な遠慮が生まれて、新鮮さを保つ秘訣なんですね」と池内さんは言う。気遣いを積み重ね、お互いを高め合ってきた2人。いまの時代の理想の夫婦から今後も目が離せない。