「初演から約7年。私のアンナに対する思いや見方にも変化が生じました。とりわけ娘を産んでからは、夫と幼い息子を置き去りにして、年下の男性との“禁断の恋”に走るアンナの気持ちがわからなくなって……。どうアンナを演じていいか悩みました」

現在、ロシアの文豪・トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』の舞台(ル・テアトル銀座)に出演している一路真輝(48)。宝塚歌劇団時代は雪組のトップスターとして活躍。退団から10年後の’06年、舞台で共演した俳優の内野聖陽(44)と結婚。同年、長女(6)が誕生した。’11年8月に内野と離婚後も、シングルマザーの傍ら、舞台を中心に幅広く女優活動を続けている。

彼女にとって3回目となるミュージカル『アンナ・カレーニナ』も、今回でファイナルとなる。人生の転機を経て、いまどのような思いで舞台に臨んでいるのかーー。

「いまの私には、子育てと仕事で精いっぱい、という現実があります。私自身は『それでもいいや』と思っていたんです。でも、演出家の鈴木裕美さんに『一路さん、それでは困ります。恋にときめいたころを思い出してください』と言われて、お稽古の段階から少しずつ忘れかけていた“恋愛”という心の筋肉が動きだしたんですね(笑)」

一路は「ときめく気持ちを忘れないことは、女性にとって大事なことだな」と、あらためて痛感したという。

「実生活では恋愛をしようとか、再婚を考える余裕はまったくありませんが、私と同じように”恋のときめき”を忘れかけていた方たちが、舞台を見て『恋をするっていいな』という気持ちになれるよう発信できればいいなと思っています」