TBSラジオの看板番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』(毎週月~金曜午前8時30分~午後1時)。2月末に放送7千回を突破し、4月8日に28年目に突入した。首都圏での聴取率は1位(’12年12月調べ。ビデオリサーチ首都圏ラジオ個人聴取率)で、まさに「日本でもっとも多くの人に聞かれている」ラジオ番組だ。

そんな『ゆうゆうワイド』の人気の秘密を探るため、4時間半の生放送が行われるスタジオにお邪魔した――。水曜日の午前7時。TBSラジオでは、番組のメインパーソナリティを務めている大沢悠里(72)が、すでに新聞を読んでいた。

「朝4時半に起きて、6時に事務所へ。着替えて、ゲストの資料などを持って局に入ります。新聞や資料を読んで、7時半から朝食を食べながら打ち合わせをして、本番です」(大沢悠里・以下同)

8時を回り、本番が迫る。生放送ならではの緊張が……と思いきや、出演者、スタッフともリラックスした様子。大沢は「昔は『さぁ、今日も!』って、ギンギラギンな意気込みがあったけど、今はないんだよ。『4時間半、もつかな』という感じ」と笑う。

スタジオには、ゲストや気象予報士、ラジオショッピングの担当者などが次々と出入りする。印象的だったのが、ゲストが到着すると、生放送の合間に外まであいさつに行く大沢の姿だ。「本日は『女性自身』が取材に来てくれています」と、生放送中に取材班の紹介までしてくれた。

「ラジオは面白くしなきゃ。本番中に思いつきでエッジのきいたことを言ったりね(笑)。ただ、たまに僕が変なこと言うと、スタッフがピシャッと『ただいま一部、お聞き苦しい点がありました』というのを流すんだよ。『いやだね~ここのスタッフは』と返すことで、番組を身近に感じてもらえるかなと。気取らないことが大事だよね」

遊び心で番組を楽しむいっぽう、締めるところはしっかり締める。取材に訪れたこの日は午前中、電車が運休するほどの強風が首都圏を襲った。進行表の合間を縫うようなタイミングで、何度も交通情報を伝える。4時間半の生放送中、トイレに行く時間も限られる。昼食は、サッと食べられるものだけ。本人いわく「4時間半、声を出して本を読み続けているようなもの」というハードワークだ。大沢にとって、ラジオとは?

「好きなもの、好物ですね。小学生になる前からラジオが好きで、ずっと聴いていました。だから『ゆうゆうワイド』は、好物を食べているようなものだね。楽しくないとやれないよ。その代わり、たいへんなこともありますから。毎日、資料を渡されて……ってそりゃ、疲れるよ(笑)」

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