「吉本興業に入社して今年で35年になりますが、来し方を振り返って見ると、3つの大きな出会いがありました。この3つの出会いが僕の一生を決めたと言っても過言ではないと思います。そのうちのひとつが島田紳助君(57)との出会い」

 こう話すのは吉本興業株式会社の大崎洋社長(59)だ。大崎社長は’53年、大阪府堺市生まれ。関西大学社会学部卒業後の’78年、吉本興業に入社。’09年4月には代表取締役社長に就任した。

「紳助君と初めて会って、話を聞いたときのことは、今も鮮明に覚えています。彼は自分のコンビ(『紳助・竜介』)の長所や欠点の分析のみならず、たとえば、オール阪神・巨人は正統派漫才で、物まねという“武器”を持っていて、子供からお年寄りまで愛される漫才ができる…というように仲間たちの“戦力分析”を実に的確にしていた」

 これには本当にびっくりし、大崎社長は「こいつはすごいやっちゃ」と思ったという。そんな紳助が’11年、突如芸能界引退を宣言する。暴力団関係者との『黒い交際』が発覚したため、そのけじめをつけるというものだった。

 大崎社長は「週刊誌が報じた土地や建物の売買に関しては、裁判で潔白が証明されたし、現在裁判中の事柄についても潔白が証明された暁には、彼自身、反省すべきところは反省して、世間のみなさんにお許しをいただけるなら帰ってきてほしいと思っています」とその胸の内を語り、こう続けた。

「紳助君とはデビューした当時から一緒に泣いたり、笑ったり、ご飯を食べた“兄弟”のような間柄だし、『帰ってくるところは吉本しかない』と思っていますから。だからといって、彼とは頻繁に連絡を取り合っているわけではなくて、年に数回『元気か?』『どうしてる?』などと電話やメールでやり取りしている程度です。それでも心は十分通い合っていると思います」

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