「異端児と言われながらも、あふれる情熱のままに歌舞伎ひと筋に歩いてまいりました。弟子たちにはお客様に感動を与えられる役者、応援してもらえる役者、お金の取れる役者に今後もなってほしいと願っております――」
 
6月27日、都内のホテルで開かれた『モンブラン国際文化賞』授賞式。受賞した父・市川猿翁(73)の手を引いて出席した長男の香川照之(47)は、父に代わって、冒頭のコメントを代読した。
 肺炎のため1月の大阪松竹座公演を降板して以来、3月の名古屋・御園座、6月の博多座と休演が続いた猿翁。本人は出演したいと望んだが、体調の悪化を心配した香川が休演させたという。それでも、最後の3日間だけ、猿翁はカーテンコールに姿を見せた。
 
前日に博多座のカーテンコールに姿を見せた猿翁は、福岡から帰ったばかりでの授賞式出席だったという。そこまで猿翁の気力を高めたのは、香川を一人前の歌舞伎役者にしたいという一心からだった、と歌舞伎関係者は説明する。
「静養中も、猿翁さんは舞台を録画した映像を届けさせていたそうです。それをチェックしては、香川さんにダメ出しすることもあったとか。猿翁さんは香川さんの役者に懸ける情熱は認めていますが、自分のことに精いっぱいで、観客を喜ばせるというところまで十分に気が回らない点を心配していました」
 
もう一度共演を果たしたいという思いが、親子の絆をいっそう深めているようだ。

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