「オネエキャラを強調しすぎているので『芝居壊していませんか?』と監督の福澤克雄さんに聞いたことがあるんですが、『逆にそれがいいんですよ』と言われました。確かに自分では『やりすぎたかな』と思ったときでも、監督からストップがかからなかった場面のオンエアを見ると、やっぱりいいシーンになっています」

 そうほほ笑むのは、歌舞伎俳優の片岡愛之助(41)。今年の視聴率ナンバーワンを独走中のドラマ『半沢直樹』(TBS系)。愛之助は、主人公・半沢のライバルである金融庁のエリート検査官・黒崎駿一を熱演中だが、その強烈なオネエ風のキャラクターも大ウケだ。

「監督さんから4月末に電話がかかってきて、どんな役か聞いたら、言いづらそうに『オネエの役なんです』と(笑)。原作を読んだら、これがいい役で。20歳ぐらいだったら断ったかもしれませんが、もう41歳なので恥ずかしいものもないので挑戦してみようかと思いました」(片岡・以下同)

 引き受けるにあたり、愛之助は「ドラマ全編に出演できる役にしてください」と要望したという。実は、原作では大阪編に黒崎は登場していない。愛之助のこのひと言が、黒崎を大阪国税庁に出向させたのだ。

歌舞伎では女形を演じることもあるが、オネエの役作りは難しかったという。

「女形が女の人より女らしく見えるのは、女性をよく観察するからなんですね。僕も今回は近くにいるオネエ系の人々をよく観察して、仕草や言葉遣いをモデルにしましたね。だから違和感はないはずです(笑)」

 収録でいちばん印象に残っているのが、部下の股間をわしづかみにするシーン。

「とにかく男性の股間を握ったことなんて、人生の初体験でした。しかもこっちの角度、手のアップとか、何回も何回も撮るんですよ。最初は力の入れ加減もわからなかったんですが、相手の石黒(英雄)さんもだんだん慣れてきて、こっちも最後のほうは“つかみどころ”がわかってきましたね(笑)」

 ドラマは東京に場が移り、後半戦に突入。今後の見どころを聞いてみた。

「黒崎は半沢との対決を“運命”だと決めているんです。今回の金融庁の検査には銀行の存続がかかっていますからね。半沢の抵抗もすごいです。細かくネチネチ攻める黒崎と火花を散らす今後の対決シーンは必見よ!」

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