9月4日夕方6時半すぎ。都内の高級ホテルの宴会場に堺雅人(39)や香川照之(47)、及川光博(43)が続々と集まっていく。実はこの日、ドラマ『半沢直樹』の打ち上げが行われていたのだ。「みなさん堺さんのところへ挨拶に行くため、列ができていましたね。堺さんは恐縮しきって、何度も頭を下げていました。Tシャツにジャケット、メガネという地味な格好からか半沢のような存在感はなく、最初は堺さんだと気づかない人もいました」(ドラマ関係者)

制作局長の挨拶、取締役の乾杯の音頭で宴がはじまると、流されたのは欠席者からのVTRメッセージ。「片岡愛之助さんは歌舞伎座の本番のため欠席でしたが、白塗り姿にオネエ口調で挨拶して会場を沸かせていました。そして最後に、なぜか楽天の田中将大投手が登場。『毎週妻と見ています!』と言うとスタッフが『全ての取材を断っているのに半沢だけは受けてくれました!』と説明し、拍手喝采でした」(前出・ドラマ関係者)

『半沢直樹』は出演者が多かったが、その1人1人が挨拶のため壇上に登った。堺の番になると、彼は一礼し落ち着いた口調で語りはじめた。「多くのドラマに出演させていただきましたが、初めて001番の(通し番号が振られた)台本を手にして気合が入りました。でも熱く真っ直ぐな半沢をやればやるほど、僕とは正反対な男だなぁと何度も噛みしめる場面がありました。僕はこれまで妥協しがちで“ハードルは低く”を心がけてきたので(笑)」

冗談を交えながらの“本音スピーチ”に会場は沸いた。「正直、僕自身こんなに反響があるとは思ってもみませんでした。きっと言いたいことを我慢している半沢直樹が、日本中にいるからなんでしょうね。間違っていることを間違っていると筋を通す姿が受け入れられたんだと思います」

堺は「またみなさんと一緒にお仕事をしたいと思います」と続編出演も匂わせ、スピーチを締めくくった。3時間に及んだ1次会が終わるとそのまま2次会へ。飛ぶ鳥落とす『半沢チーム』だけにどんな“倍返し”が待っているのかと思いきや、一行が向かったのは堺の母校・早稲田大学に近い高田馬場駅前にあるパブ。学生も通う、庶民的なお店だった。「ドラマに製作費がかかりすぎてお金がなかったそうなんです(笑)。でも2次会では、1次会では行われなかった恒例のビンゴ大会なども行われました」(前出・ドラマ関係者)

2次会が終わったのは深夜1時過ぎ。出演者が続々と出てくるが、送迎の車で道が埋まってしまうほどで1時間ほど立ち往生していた。堺は見送りに出てきたスタッフに深々とお辞儀をして帰宅。開始から7時間が過ぎていたが、その表情には達成感が浮かんでいた。

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