28歳のときには不動産や株、ゴルフの会員権など3億円の資産があったものの、バブル崩壊で借金が1億7千万円に…。そんなドン底の渦中にいたかつみ(50)と結婚したさゆり(44)。これを挽回しようと、かつみ・さゆりは「借金返済ドリーム計画」に着手したのだがーー。夫婦が17年の苦闘を振り返る。
【1 オオクワガタの繁殖】
「300万円借りてクワガタ買って、大事に、大事に育てて、600ペアくらいになったときに、さゆりちゃんがバルサンたいて、全部殺してしまった!」(かつみ・以下同)
【2 一口馬主】
「西川きよし師匠に勧められて、1口68万円出して共同馬主になったけど、1回走ったきりで故障して、そのまま引退(苦笑)」
【3 猫の繁殖】
「当時、日本に10匹ぐらいしかいなかったマンチカンという猫を買って。
さゆりちゃんのお母さんに、獣医に連れて行ってワクチンを打ってもらうように頼んだら『かつみさん、ついでに去勢してもらった』言うて……」
【4 綾波レイ等身大フィギュア】
「限定10体のフィギュアを40万円で買って。アメリカではすでに200万円になっていると聞いて、『これはすぐに2000万円ぐらいになる』と思って、毎日力を入れて磨いていたら、ある日、もみあげがパキッと折れて。製造元に修復してもらおうと、もみあげを床に置いといたら、さゆりちゃんが掃除機かけて、そのまま捨ててしまった」
【5 ラーメン店経営】
「店長はさゆりちゃんのお兄さんで、人がいいから、応募してきたアルバイトを全員採ってしまった。対人恐怖症の大学生。九九のできない高校生2人、日本語がひと言もしゃべれない外国人、異常に声のちっちゃい自称声優、ブサイクな自称アイドルとかーー」
「Aカップの自称グラビアアイドルもいたね」(さゆり)
「バイトが全部で30人近くいて、20坪の店なのに常時9人ぐらい働いていて。売上の68%は人件費で、材料費が30%。あとの電気代や水道代、家賃は全部僕持ち。7カ月目に『店をやめる』言うたら、お兄さんが『やめないでください! ここはみんなの楽園ですから言うて(笑)。結局1000万円の損失やったね』(かつみ)
かつみ・さゆりの「借金返済ドリーム計画」は、ほかにもスナック経営(家賃滞納217万円で閉店)や、100円ショップ経営(誤発注と近所にダイソー出店で倒産)など、ことごとく失敗してきた。続いたのは最長で7カ月。しかし、去年の4月にオープンしたスイーツのお店「ボヨヨンスイーツガーデン」は、開店から1年6カ月がたった。
「今回は、経営のプロの方にお店を見ていただいているんです。9回の失敗を経験して、私たちがようやくたどり着いたのは『経営は、ちゃんとした人がやれば続く』ということ(笑)」(さゆり)