神木隆之介(20)は、実に“普通”であった。柔らかな物腰で、驕りのかけらも見えず、過度に謙遜する様子もない。にこやかに、軽快にしゃべる彼は、羨ましいほどナチュラルに“普通”なのである。

「小さいころから仕事をさせていただいていますが、両親に『実るほど頭を垂れる稲穂かな』と教えられて育ちましたので(笑)。役のイメージで『おとなしそう』と思われることも多いですけど、実際の僕は学級委員長もやったりして、体育祭も文化祭もいちばん張りきる“お祭り男”でしたね」(神木・以下同)

 ふだんは元気な好青年。が、芝居に対しては、きわめてストイックだ。2歳のときから始めた役者という仕事を、“辞めよう”と思ったことすら一度もない。

「ただ単に、芝居がすごく好きなんです。違う人間になれるのが、本当に楽しいんですよ。最近は、役に対しても深く考えるようになりましたね。でも、集中できないときはパッとやめる。切り替えは早いです。試験勉強とかもそうでした」

 思考を休むときには、サティの『ジムノペディ第1番』を聴きながら散歩をするという。仕事は順調、性格は素直。欠点がないかのような好青年の、今後の課題を尋ねると。

「……モテないんです僕、ぜんぜん(笑)。友達はみんなモテるのに……なんでだろう(苦笑)」

 得意の演技で、ミステリアスさを演出すれば、すぐにモテるのでは?

「実生活ではまったく演じられないんです! 全部顔に出てしまいます。(同じ事務所の佐藤)健くんのように、ふだんからものすごいオーラを放っている人が羨ましい。僕の二十歳の誕生日のときも、カッコよかったんです!12時にパッと電気が消えたら、奥からケーキを持った健くんが、歌いながら現われて……。まさにデキる男ですよ!ほんと、健くんみたいに、セクシーになれたらいいな(笑)」

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