「好江さんは、できればずっとお骨を自宅に置いておきたかったようですが、一周忌を前にようやくお墓に納める決心がついたようです」(中村屋の後援会関係者)

 昨年12月5日に急性呼吸窮迫症候群のため亡くなった中村勘三郎さん(享年57)。妻の好江さん(54)にとっては、辛く悲しい1年となった。

「実は、好江さんはいつも勘三郎さんと一緒にいたいと、ミニ骨つぼを作って、本名の哲明から取って“のりさん”と呼んでいるんです。出かけるときにも持ち歩いていました」(前出・後援会関係者)

 そんな彼女に納骨の決心をつけさせたのは、初孫の七緒八くん(2)の成長ぶりだったという。10月27日、七緒八くんは、勘三郎さんの告別式が行われた東京・築地本願寺で『一周忌メモリアルイベント』の舞台に上がり、父・勘九郎(31)と叔父・七之助(30)と共演。舞踊『偲草鶴競猿若舞』を披露した。

「七緒八くんの稽古は好江さんがつけていたんです。本番当日、七緒八くんの出番が終わると、好江さんはそっと胸に手を当てて勘三郎さんに『見ていましたか? ありがとう』と話しかけていました」(歌舞伎関係者)

 息子たちと共に舞台にあがる孫の姿に安堵した好江さんは、自分の気持ちにけじめをつけ、納骨を決心したという。納骨式と一周忌法要は11月27日に、先代も眠る菩提寺である台東区・西徳寺で行われる予定だ。

 好江さんは手元の“のりさん”をどうするのだろうか。
「南座のある京都か、勘三郎さんがまつもと歌舞伎で名誉市民になった長野・松本あたりの、ゆかりの地に分骨されると思います」(前出・後援会関係者)

27日に西徳寺で法要が行われている間、その向かいにある鷲神社では、ちょうど『三の酉』が開かれている。“福をかき集める”縁起物である熊手を買い求める客で、あたり一帯は一日中大賑わいだ。

「生前、勘三郎さんは毎年酉の市で大きな熊手を購入していました。当日は、お祭り好きの勘三郎さんにふさわしい法要になると思います」(前出・後援会関係者)

「平成中村座」という夢をかなえた土地で、勘三郎さんは家族を見守り続ける。

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