クリスマスディナーショーを今年で12年連続開催している美川憲一さん(67)。チケットは1人4万円。それでも毎回満員の700人が集う。席の位置で料金は変わらないので、1年前から予約をしないとよい席が確保できないという。高額チケットでも満員御礼となる秘密を、美川さん本人から聞いた。

「まず、衣装は毎年新調。お客さんと触れ合うから、いいものと悪いものがすぐにわかっちゃうのよ。衣装を触って『あら、やっぱりシルクだわ!』って言うお客さんもいたんだから(笑)。3着は衣装替えするけど、そのうち1着は着物だし、スタッフのことも考えたら、ギャラもらったって全然元取れないわよ(笑)」(美川さん・以下同)

 ショー自体は1時間ちょっと。トークで楽しませ、歌もしっかり聴かせ、最後は盛り上がって終わるように演出しているという。

「私は、一切、同じ話はしないの。そこでハズせないのがワイドショーネタ(笑)。『ここだけの話よ』なんて言って、裏話みたいなものを話したり。毎回、マネージャーと何話そうかって事前に相談するんだけど、結局、ショーが始まっちゃえば、わ~っと次から次へと話が出てくるのよ(笑)。もう、全部アドリブよ!」

 筋書きのない“ライブ”のディナーショーゆえに、忘れられないアクシデントもあった。

「いちばん前の席のご主人がかなり泥酔しちゃって、倒れたことがあるの!飲まなきゃいいのに、飲み過ぎちゃってね(笑)。この際元取ろうと思って、がぶがぶ飲んだのよ、きっと。私が歌っているそばで、奥さまが大声で『お父さん、お父さん!大丈夫』とか言って、参っちゃったわ(笑)」

 ディナーショーは、ふだんは遠い存在の芸能人を身近に感じて触れ合える千載一遇のチャンスとも言える。しかし、なかには度を過ぎるお客さんもいるようで……。

「歌っているときに、後ろがモゾモゾするなって思っていたら、お尻触られてたの!おばさんが『あら、いいケツしてるわね~』なんて言いながら触ってるの。もっと驚いたのは、下からおばさんの手が入ってきて、股間を触られたことよ!『あら、あったわ』って(笑)。『お触りは料金に含まれてません』って言ってやったわ!」

 客席には、一般客だけでなく、有名人が来ていることも多いという。

「私は、来ているとわかったら発表しちゃう。たとえば、うのちゃんとかデヴィ夫人はよく来てくれるけど、そういうときは、『今日はいらっしゃっていますよ』って紹介するの。森光子さんがいらしてくださったときも『森さんです』って言ったら、森さんも立ち上がってくれて。お客さんも喜んでたわ」

 最後に、今年のディナーショーの見どころを聞いた。

「今年はなにより5月に出た新曲『生きる』を聴いてほしいわね。昨年の11月に東日本大震災の被災地、岩手県山田町に行ったときも歌わせていただいたんだけど、『元気もらいました』『頑張って生きます』って、直接そういう言葉をいただいて。ディナーショー向きの曲ではないのかもしれないけども、今年はあえて歌おうと思っています」

関連カテゴリー:
関連タグ: