「このたびは、ご婚約おめでとうございます」
本誌記者がお祝いの花を差し出すと、
「Thank you very much」
彼は少し恥ずかしそうに、しかしとても嬉しそうに微笑んだーー。
身長は170センチほどで、スリムな体型。黒い髪はきれいに撫でつけられていて、細いフレームの眼鏡の奥にある瞳は、丸くて温かみが感じられた。このFさん(23)はロンドンの五つ星ホテル内で働くバーテンダー。そう、歌姫・宇多田ヒカル(31)の婚約者だ。
《近々、結婚することになります。結婚式などを静かに済ませた後にお知らせできればと考えていましたが、既に問い合わせがあり噂になっているようなのでこのタイミングでご報告させていただきます。自分でもちょっと笑ってしまいますが、相手はイタリア人の男性です》
映画監督・紀里谷和明氏(45)との離婚から7年、宇多田が再婚を自身のHPで宣言したのは2月3日のこと。14歳年上男性との初婚から一転して、今回のお相手は8歳年下だ。本誌記者は、Fさんの下を訪ねた。南イタリアのプーリア州ファザーノ市出身だというFさんだが、英語も正確で聞き取りやすかった。
カウンターでカクテルを作っては、黒い丸テーブルに運んでと、とても忙しい。テキパキした仕事ぶりや、あくまでも柔らかい接客ぶりからは、彼の真面目な人柄もうかがえる。
バーテンダーのユニフォームらしい黒のドレスシャツにダークブラウンのエプロンをつけた彼は、本誌記者の目をじっと見つめると、
「あなたは僕のどんな話を聞きたいのですか?」
そこで宇多田と彼との“なれそめ”について取材しにきたことを伝えると、大きくうなずいた。
「わかりました。でも、ここは職場ですのでプライベートの話は……。“彼女”と相談したうえで、あらためて連絡させてください。
記者がバーを出るとき、彼は微笑みながら、小さな声でこう言った。
「必ず連絡します。心配しないで……」
前出のHPで宇多田もFさんを《根が誠実…》と、語っているが、好青年であることは間違いないようだーー。