2月26日、“文さん”の愛称で親しまれた元TBSアナウンサーの山本文郎さん(享年79)が、肺胞出血のため亡くなった。翌27日、由美子夫人(48)が千葉県内にある自宅で本誌の取材に応じてくれた。08年7月に再婚して以降、仲睦まじく過ごしていた夫妻だったが、2月21日、山本さんは突然病に倒れた。
「21日の夜中の0時半でした。彼が『背中がちょっと痛い』と言うので、すぐかかりつけの病院に行きました。CTを撮ったら、『肺胞から出血している』と言われ、びっくりしてしまいました。直接の原因と断定はできないようなのですが、どうやら、肺の毛細血管にダメージがあったみたいで。以前はタバコを1日40本、30年間ずっと吸っていたわけですからね。いまは吸っていませんが、長年の喫煙が大きかったのでしょう。お酒の量もすごかったですし……」
2年前、本誌の取材に山本さんは自らこう語っている。
「もし(由美子さんと)一緒になっていなかったら、酒浸りになって、もう死んでいたかもしれません」
緊急入院した山本さんは、病床にいながらも仕事のことを気にかけていたという。
「3月1日には、テレビ通販番組の仕事が入っていたんです。ベッドでは『おれはまだ死ねねえよ』と言って笑わせたりしていましたから、お見舞いに来てくれたみんなも『大丈夫、すぐ帰れるよ』と言って帰って行きました。私の2人の息子(19歳と17歳)が病室にいるときには、『お前たちの孫を見るまでは、おれは死なねえぞ』なんて言って笑っていましたね。
でも、病室に私と2人だけになったときには『ちょっと苦しい』と言うんです」
由美子さんだけには、そう本音を漏らしていたのだ。2人は最期まで”愛の言葉”をこう交わし続けたという。
「亡くなる前日でしたか、『おれは由美子がいないと生きていけねえ……』と言うので、『当たり前よ!』と返しました。そして、26日に息を引き取る前に、私だけを呼んで……。私は最期に『いつまでも愛しています』と、耳元で言いました」
2人は、結婚後夫婦げんかを一度もしなかった。山本さんは12年10月の本誌の取材に、こうのろけていた。
「ささいなけんかで時間を無駄に使いたくないですから。相手のいいところを見て、“おれにないところを持っている”部分を見ていれば、まずけんかはないですね」
由美子夫人は、最愛の夫のため、今後ある準備に入るという。
「山本には、『あなたにお葬式は似合わないから、亡くなったときには、改めて私があなたの引退式をする』と話していたんです。まだ日程は決めていませんが、お世話になったみなさんと笑顔で山本の“引退式”を派手に、明るくやろうと思っています」