「テレビ東京は、『素人を使うおもしろさがある』とは皆さんご存じです。ひな壇にタレントさんをそろえる他局には勝てない。お金を使わないなら、体を使いましょうと。中国人の『爆買いツーリスト』が話題になったときに、番組にできないか?と考えたのがこの企画の原点です」
そう話すのは、テレビ東京・プロデューサーの村上徹夫さん。村上さんが手がける番組『YOUは何しに日本へ?』は、テレ東の人気コンテンツの一つだ。
「限られた予算で海外の旅行者の仕込みはできない。ならば『くっついていけば、なんとかなるだろう』という発想。カメラマンとディレクターと通訳の3人しか稼働していません。仕込みも一切なしで、成田と関西空港でずっと人をつかまえ続けました」
土曜昼から深夜、そしてゴールデンになっても、この基本的スタンスは変わらない。現在はバナナマンの2人がMCを担当。
「予算もなく、お金を残すことを考えると、VTRだけの構成も考えました。でもMCにVTRを見ながらつっこんでもらおう!と。『電波少年』のようにスタジオをイラスト化し、MCに顔だけ出してもらっています。『新しい』といわれますが、『予算がなく頑張り』人気になると、そう評価されるのだと思います」
昔に比べ、テレビがおとなしくお利口になっている気がすると村上さん。
「この番組は、逆のベクトルです。テレビって元気で荒くて勢いのあるもの。そんな現場感と空気を届けたいんです」