初回平均視聴率14.2%を記録した連続ドラマ『アリスの棘』(TBS系)。話題なのが、約3年ぶりドラマ主演となる上野樹里(27)の鬼気迫る熱演ぶりだ。主人公は、14歳のときに父親を失った新人医師。父を死に追いやった医師へ復讐を誓うストーリーだが、実は上野自身と“悲しい共通点”が。彼女もまた、14歳のときに最愛の母を亡くしているのだ――。

上野の故郷は、兵庫県加古川市にある。3人姉妹の末っ子として生まれ育った上野だが、父親が工場経営に失敗。暮らしていた大きな屋敷を手放すことになった。だが、彼女の初CM出演が決まる直前の中学2年の1月、母は原因不明の病で急死。45歳の若さだった。

「お母さんが病気だというのは聞いていましたが、それからほどなくして亡くなってしまいました。お通夜の日はとても寒かったことを覚えています。通夜の席では末っ子の樹里ちゃんをはじめ、3姉妹が気丈に振る舞っていたのが切なかったです……」(地元住民)

 09年放送の『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のインタビューで、上野は《事務所の社長さんと神戸で会って話をしたとき、お母さんは病気だったから意識も朦朧としていて。ギリギリの状態でした。でも、お母さんは涙ぐんで笑っていたんです》と語っている。重い病状を押して上野に付き添った母は、娘の芸能界入りを見届けて涙を流したのだろう。

かつて豪邸があった場所から徒歩数分の場所で、現在も上野の父方の祖母が暮らしている。彼女は、上野の母親が亡くなったときのことをこう振り返ってくれた。

「樹里は、まだ中学2年生でした。母親が亡くなった後、義務教育だけはと思って私が中学卒業まで面倒を見ることにしたんです。お母さんがいなくなってから、樹里は『自分の生活する分は、自分で仕事して稼がなあかん。自分の力で暮らせるようになるんや』と言っていました。そして中学を卒業すると、1人で東京へ行ったんです」

 そんな彼女の心にはいつも、母が残した“ある言葉”があった。前出のインタビューで、彼女は女優を目指すきっかけを《お母さんがまだ生きているとき、『あんたもこんなふうに、テレビに出られたらいいのになぁ』とぼんやり言っていたんです》と明かしている。はからずも“遺言”となった母の言葉を叶えたいと、上野は必死に女優の道を進んできたのだ。

「彼女は『1人で何とかしなければならない状況に追い込まれたからこそ、私はここまで頑張れた。だから恵まれない環境というのは、実は才能を産んでくれる恵まれた環境なのかも』と語っていました。母の死という逆境が、彼女を強くしたようですね」(芸能関係者)

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