芸能界きっての読書好き女優・宮崎美子が、話題の1冊や隠れた名著をナビゲートするのが『宮崎美子のすずらん本屋堂』(BS11・金曜午後10時〜)だ。

 大物作家が自分の作品について語る「書棚へようこそ」、本好きコメンテーターがえりすぐりの作品を紹介する「発掘良本」、古書店をひたすら巡る「東京古本散歩」など、「本」をテーマとして多面的に取り上げる。読書好き必見の番組だ。宮崎さんは言う。

「私はプロの書評家ではないので、あくまで一読者として、背伸びしないでいようと心がけているつもりです。作家の先生方とは、ほとんど初対面。この先生の後ろには、何百万の読者がいる……と思うと、緊張して前の晩は眠れないことも。第1回のゲストは忘れもしない、京極夏彦さんでした。京極さんの作品は、内容も面白いうえに、漢字の使い方も凝っていますよね。じつは私、漢字検定を受けたとき、京極作品をサブテキストにしていたくらいのファンで。今、思い出しても、緊張したなあ、と(笑)」

 控えめだが、作家の気持ちをきちんと聞く彼女の進行は、視聴者はもちろん、出演する作家の間でも好評だ。

「あまりテレビには出演されない、とうかがっていた作家の方が、以前この番組に出てくださった別の作家さんと仲よしで。『出るべきよ』と言われ、出演を快諾してくださった、ということもあったそうです。そういう話を聞くと、続けてきてよかった! とうれしくなります」

 ときには作家だけでなく、話題の本の編集者が出演するのも、この番組の特徴だ。また、文芸書だけでなく、実用書なども積極的に紹介されているのも面白い。

「小説以外の作品を取り上げることは、知らない世界との出会いにもなります。先日は、47都道府県のご当地スーパーを自腹で回った、という本を取り上げました。その中に出てきた、岩手のご当地フード『ツイストようかん』をスタジオで試食して。ステキすぎて本の話を忘れそうでした(笑)」

 放送は金曜日の夜。この番組で本のことをを知って、翌日、散歩ついでに書店に立ち寄り、紹介された1冊を手にするファンも多いという。

「これだけ情報が多い時代、いざ本を選ぶとなると、平積みになっているおススメ本だけでもかなりの冊数で困りますよね。そんなときに、ふと、この番組を思い出していただければ」

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