「人生初の特攻服は、さらしを巻いて、やはり気が引き締まるというか背筋がピンとする感覚があって、本気で着ていた人たちの気持ちが少しわかりました(笑)」

 そう語るのは、公開中の映画『ホットロード』で主演の春山洋志を演じる登坂広臣(27)。三代目J Soul Brothersのボーカルとして活動している中で、未経験となる演技への挑戦。じつは、登坂は最初、この映画のオファーを断ったという。

「グループが一丸となって、さらに上を目指そうという時期、自分一人、違うジャンルのものに挑戦するのはリスキーだと思いました。どちらも100%やれるほど要領よくできないので」

 そんなとき、背中を押してくれたのが先輩の言葉だった。

「三代目J Soul Brothersのメンバーをはじめ、HIROさん、TAKAHIROさんが、『求められたものに応える気持ちも大切。絶対、歌に返ってくる』と応援してくれました」

 登坂は愛する人に素直になれない春山を演じ、新たな自分を発見した。

「春山と向き合って、俺も超不器用かも、って(笑)。自分の思いを人に素直に伝えられるか、と言ったら、俺もできないし。あまのじゃくっぽいところは似ています。原作の紡木たく先生と何度も話し合い、『登坂くんのままでいてくれることが春山になる』と言われました。演じるうえで、じつはそれがいちばん難しくて(笑)」

 春山と和希(能年玲奈)の激しい純愛や母娘の絆、さまざまな愛を描いた本作。

「大切に思う相手がいるからこそ、自分を大事にできることを学びました。10代であんな恋愛。熱いですね(笑)」

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