隔週連載《中山秀征の語り合いたい人》、今回のお相手は、宝塚の元トップスターであり、舞台俳優として数々の当たり役を持つ大地真央さん(58)。宝塚退団の理由を語ってくれた。

中山「宝塚には脈々と受け継がれた『型』がありますよね。大地さんはその世界にあって、型を破ったり、変えたりもされ、それがまた新しい伝統になって。今では珍しくなくなったタキシードでの退団も大地さんからなんですよね?」

大地「はい。それまでは、みなさん紋付き袴姿でしたね。自分の中で、舞台で最後まで男役をまっとうするために、どうしても白い燕尾服を着たかったんです。宝塚の制服と言われている紋付袴は、最後に楽屋を出るときに着ていきたいと思って、そうさせていただきました」

中山「大地さんが黒木(瞳)さんとなさった、娘役トップとの同時退団も今や美しい退団の姿とされていますもんね。辞め方もそうですが、大地さんが突然退団されること自体が相当衝撃的でした。ずいぶんとトップは短かったですよね?」

大地「2年と5カ月くらいです。本当にワガママを言って、辞めさせていただきました」

中山「どういう心境で退団を決意されたんですか?」

大地「ありがたいことに、トップになる前からバウホールでいろいろと主役をやらせていただいたこともあり、自分が宝塚でやりたいと夢見ていたことがすべてかなったんですね。もちろん宝塚も好きですし、男役も面白かったので、逆にどこかのタイミングでいつかは自分でキリをつけなくては、と考えていました」

中山「なるほど。ここ、と決めない限り永遠に続けてしまう」

大地「定年まで続けるのも一つですし、そうされる方もいらっしゃいます。でも私は、宝塚はいつか卒業をしていくところだと思っていたので、30歳で新たなことを始めたいと思い、29歳であのような早い退団になってしまいました」

中山「30歳で次のステージへ行こう、って」

大地「そのときは、宝塚や、次に始まる何かを大事にする意味でも、とにかく宝塚以外のことは考えていませんでしたね。私の性格上、次のことを決めてしまうと、心のどこかで宝塚を踏み台にしているように感じると思ったんです」

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