「今のお仕事は精神保健福祉士です。心に何らかの問題のある人たちの社会的な問題に、様々な形で力添えする仕事だと思っていただければ」と語るのは、15歳で『積木くずし』を力演し、一世を風靡した高部知子(47)。

 芸能界を引退後、慶應義塾大学文学部で哲学を学んだ高部。その後、資格を取るため、東京福祉大学を通信制で卒業したという。

「芸能界引退を決意したのは出産が機なんですけど、長女が心臓を患ってしまって。自分も子供が闘病していたから強く感じたのですが、苦しむ患者のご家族に対して、ケアしてくれるところがなかなかないんです。それを自分で経験して、今度は自分がそういう患者家族の心を支える仕事をしたいって思うようになったんです」

 いまもっとも力を入れるのが、「依存症ケア」だ。

「社会問題の7割以上に“依存症”の問題が絡んでいるんですよ。例えば、子供たちのギャンブル依存症がものすごい勢いで増えているんです。今回取材を受けたのも、そこを啓発したいから! この世の中の社会問題の根底に、依存症が深く関わってるんです。大変な危機感を持っています」

 その強い口ぶりには、女優としてテレビで活躍していたころ以上の熱量がこめられていた――。

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