11月9日、羽田空港に到着した韓国人歌手、イ・スンチョル(48)が、入管で入国を拒否されて強制送還された。
スンチョルは85年にデビュー。日本ではほぼ無名だが、韓国では名実ともに国を代表するトップクラスの歌手だ。今回、彼は1週間の観光目的で妻と来日。妻ともども入国を拒否されたという。
スンチョルは今年8月15日、日本からの独立を祝う光復節に竹島へ渡り、南北統一を願う歌『その日に』を発表した。韓国音楽関係者はこう語る。
「彼は“反日アピール”などせずとも売れているし、もともと政治的な人ではないんです。竹島公演も招かれて歌っただけ。今回は観光目的だったのにかわいそうです」
スンチョルの入国拒否が明らかになったこの1週間、「国民全体が辱めを受けたも同然」と韓国世論は沸騰。今回の“入国拒否”に発した新たな“反日”の輪が韓流タレントに広がり始めているという。
「韓流ブームが起きた02年以降、多くの韓流スターが日本へ行くようになりましたが、実は昨年2月の朴槿恵大統領就任以降、韓流スターへの“興行ビザ”の発給審査が明らかに厳しくなったんです。日本に強硬な朴大統領への対抗姿勢としか考えられません」(韓国音楽関係者)
そんな不満が積もっていたなかで起きた今回の“入国拒否”騒動に、多くの韓流芸能人が頭に血を上らせているということのようだ。日本の芸能関係者は今後の韓流イベントに危機感を抱く。
「停滞気味の韓流ブームを再燃させようと、東京で日韓の芸能人が共演するコラボイベントを計画中の企業がいくつもありますが、韓国サイドからの出演ボイコットが広がることをみんな心配しています。『もう日本では歌わない!』と宣言する歌手が続々出てもおかしくないくらい、韓国世論は怒っているんです」
日韓和解の春は、まだ遠そうだ――。