「私の2年前の82年デビューはアイドル黄金期の年代。中森明菜さん、小泉今日子さん、シブがき隊……。私は、とても緊張しやすくて、本番前に手が震えたり、手のひらに『人』という文字を書いて飲んだりするタイプ。そんな私を石川秀美さんが背中をトントンと叩いてくれたり、松本伊代さんが『桃子ちゃん、大丈夫!』と言ってくれたり。年は2~3歳上なだけなんですけど、10歳ぐらい年上のお姉さんのような感じがしました(笑)」
そう振り返るのは昨年、歌手デビュー30周年を迎えた菊池桃子(46)。84年デビュー当時は15歳の高校生だった。デビューから4枚目のシングル『卒業』が大ヒットすると、以降、シングルは7曲連続でオリコン1位に。トップアイドルとして不動の地位を得たが……。
「7曲連続売り上げ1位を記録しましたけど、私自身は、ランキングそのものは気にはなりませんでした。それよりも、ランキングに一喜一憂する周りの大人たちのことがとても気になって(笑)。 気になったといえば、次々とデビューしてくるアイドルを見て『私は、いつまでこの世界にいられるんだろうか……』と思っていました。両親も思いは同じで『芸能界にいられなくなったときのことを考えて、次の準備をしておきなさい』と言われていたんです。つまり、一般人として通用するよう勉強はきちんとするように、と。両親のアドバイスを受けて高校では大学進学を視野に入れて、進学コースを選んで勉強にも力を入れました。おかげで赤点を取るようなことはなかったですね(笑)」
3年前から母校・戸板女子短期大学で客員教授も務めている菊池。トップアイドルという、多忙な中でも欠かさなかった勉強の日々は、40代を過ぎて大きな実を成らせている――。