昨年8月に発覚した安室奈美恵(37)の独立騒動。それが一転して、円満解決に至ったという。安室は23年間所属したライジングプロを離れ、エイベックス内の音楽レーベル『Dimension Point』に移籍。同社が音楽制作、宣伝、ライブ活動、マネジメント業務の全てを引き受け、活動拠点を一元化していくと発表されたのだ。
安室がライジングプロとの関係を“奴隷契約”と断じ、待遇改善を迫ったのが昨年5月。互いに弁護士を立てていたが、交渉は平行線のまま。安室と事務所との契約は2年以上残っており、騒動は長期化すると見られていたが……。いったい何があったのか。ライジングプロダクション・ホールディングスの平哲夫社長(68)に取材すると、こう語った。
「このままの状態が続くと互いにとって不幸だという結論に至ったんです。ウチはマネジメントの会社なのに仕事を入れられない。彼女も歌手なのに歌を歌えない。そんな状態はどちらにも損ですから。そんななか落としどころが浮上し、昨年末に決着を見たのです」
一部では「円満退社のため相応の権利をライジングに残すことが条件となった」とも報じられていた。だが、平氏は驚くべき事実を明かした。
「ウチから条件はつけませんでした。移籍料はもちろん、他の条件もなし。安室に関する一切の権利を渡しました。今後、ウチには安室に関するお金は1円も入って来ません」
この決断には、社内からも疑問の声が挙がっていたという。音楽業界でも「甘すぎる!」という指摘もあったようだが、2人を知るプロダクション関係者は語る。
「契約がまだ残っているのに出て行くのは、いわば“掟破り”ですからね。疑問の声が挙がるのも当然でしょう。それでもいっさいの権利を放棄して彼女を送り出したのは、平さんの“親心”。それ以外の何ものでもありません。やっぱりあの子のことが可愛いんですよ」
昨年8月に安室からの“詫び状”とも取れる手紙が平氏のもとに届いたが、結局、2人の接点はこのときだけだったという。以来、一度も言葉を交わすことなかったという。そんな“歌姫”安室の今後について、平氏は改めてこう思いを語る。
「安室にはこれからもヒット曲を出してほしいし、日本の音楽シーンの頂点にいてほしい。昨年暮れ、私は松田聖子さんのディナーショーを拝見させてもらいました。彼女はデビュー35年目の今も輝いていました。安室にも、ああいうふうに輝いていてほしいですね」