やしきたかじんさん(享年64)の死から1年が過ぎた2月23日、宝島社から『百田尚樹「殉愛」の真実』という告発集が出版された。同書は昨年11月に発売され百田尚樹氏(58)の著書『殉愛』(幻冬舎刊)を検証。『殉愛』で一方的に批判されてきた元マネージャーのK氏や、たかじんさんの前妻などのコメントを載せ、真っ向から反論している。そこに実弟で四男の家鋪渡氏(59)も手記という形で、初めて胸の内を明かしているのだ。

そしてこの告発集には、さらに驚愕の証言があった。それはさくら氏の二番目の夫だったアメリカ人男性・D氏だ。06年4月に交際をスタートした2人は、07年4月に入籍。だが7月に離婚の話し合いとなり、08年3月に離婚が成立したという。彼は、さくら氏との結婚生活中に「生涯、忘れられないような恐怖」を味わったとしている。

D氏は《まず声が低くなって、次に無表情になって、だんだん目付きが変わっていって、最後には怖い顔に豹変するんです》と告白。豹変後の彼女は攻撃的な言葉をまくし立てていたが、最後には倒れ、起き上がると普通に戻っていることが何度もあったそうだ。

《この人格が突然変わる現象は、さくら自身も不安に感じていたようで、その後、彼女は、スカイプでアメリカのカウンセラーに相談したようです。すると「2つの違う人格があなたの中に入っているようだ。これはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の後によく起こる」といった説明をされたようです》

 結局、このことが原因で離婚することになったというD氏。証言集でのこの描写について、精神科医の香山リカさんはこう分析する。

「2つの違う人格だとすると、いわゆる多重人格という状態ですね。医学的定義では、本人の人格以外に交代人格があること、人格交代がはっきり起こっていること、人格の交代の記憶が本人に無いことが診断基準になる。この男性の証言が事実であるとすれば、彼女はそれらを満たしていることになります。つまり医学的には一般に多重人格と言われる『解離性同一性障害』の疑いがあるということになります。多重人格の人は、幼少期にトラウマがあることが多い。なので、このカウンセラーもトラウマ体験について言及しているのでしょう。こうしたことを考えると、元夫の話の辻褄自体は合っているように思います」

『殉愛』で綴られていたさくら氏とは、あまりに食い違っている彼女の姿。D氏の証言は事実なのか。本誌はさくら氏に確認を求めたが、締め切りまでに回答はなかった。『殉愛』騒動は、はたしてどこへ向かうのか――。

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