「着物は奥が深くて、まだちょっと勉強中です。わからないことが多いので、牧瀬に着物屋さんに付き合ってもらって生地のこととかいろいろ教えてもらっています。まだ着崩せない、型を破れない段階ですね」

 そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第35回のゲスト、ファッションデザイナーのNIGO(R)(44)。原宿裏通りの店で生まれ、瞬く間にその名と猿のアイコンが世界中で知られる存在となった「A BATHING APE(R)」の創業者だ。25年前、NIGO(R)は中山の専属スタイリストをしていたという。そんな2人のぶっちゃけトーク、スタートです。

中山「仕事面では本当にさまざまな出来事があったと思いますけど、プラーベートなことでいうと結婚したことで何かが変わった?奥さん(牧瀬里穂)の影響って大きいと思う?」

NIGO(R)「はい、大きいですね。今年でNIGO(R)として活動を始めてちょうど25周年なんですけど、いろいろやり尽くした感もありネタがなかったんですよ。そんなところを牧瀬も見ていて歌舞伎に誘ってくれたんですよね。全然興味ないまま行ったら、完全にハマって、そのとき以来4年間ずっと毎月2回以上は見に行く自分の中の大きな存在になりました」

中山「NIGO(R)くんが歌舞伎を」

NIGO(R)「はい。ビジュアルはもちろん、最小限のものの中で行われている表現がすごく面白いし、“ステージ”として見てもネタの宝庫というか。とにかく魅力的です」

中山「牧瀬さんもそんなにハマるとは思わなかったんじゃない?」

NIGO(R)「凝り性というのはわかっていたと思いますけど、ここまで?という。最近は、チケットだけ取ってもらって1人で見に行くような感じになってきちゃいました(笑)」

中山「着物のデザインもしたり??」

NIGO(R)「いや、そこはちょっと、まだ……」

中山「まだやめておきます?」

NIGO(R)「今やったら誰かに怒られそうです」

中山「アハハハハ。しかしNIGO(R)くんの口から歌舞伎とか着物って言葉が出てくるとは面白いなあ。しかも、気分転換に奥さんが誘ってくれたことが次のつながったんだもんね」

NIGO(R)「自分にはなかったチャンネルを開いてもらいました」

中山「あれだけやったのにやっていないことってまだあるものだね。それらが今後どう実を結ぶのか気になるなあ。そんなひとところに収まらないNIGO(R)くんに、もしゴールがあるとすれば、そのゴールってどういうものになると思いますか?」

NIGO(R)「ゴールというか、60歳になったときにどうあるべきか、というのが自分の中のテーマにあって。最近、アーティストで『カッコイイ感じ』の人と、経営者で『カッコイイけどちょっと派手な感じ』の人に会ったんです。タイプの違うカッコイイ60歳に会って、自分はどちらを目指したらいいかを牧瀬に聞いたんですよ。そしたら、『どっちでもいいんじゃない』って」

中山「アハハハハ」

NIGO(R)「どっちも似合うと思うから自分で決めたらいいんじゃない、と言われました」

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