交際していた男性3人を殺害したなどとして、一審、二審で死刑判決を受けている(現在、上告中)木嶋佳苗被告(40)が、3月初めに獄中結婚した。

 相手は、東京都内の不動産会社に勤めている60代のサラリーマン・Aさん。支援者の1人だった人物だ。妻には先立たれ、木嶋被告とそれほど年齢の違わない息子と娘がいる。あと、2〜3年で定年を迎えるそうだが、スポーツ好きで「体を鍛えるのが趣味」(木嶋被告談)、性格は明るく社交的らしい。

 2月の後半に出した婚姻届は、3月2日に認められ、東京拘置所では「木嶋」と結婚後の姓のどちらを使っても不便がないように、3月10日に裁判所に認められた。

 Aさんとのなれそめは手紙。いかにも筆まめな木嶋被告らしいきっかけだった。初めての手紙は、まだ木嶋被告がさいたま拘置支所にいた’13年に届いた。その後、10回ほど手紙をやり取りして結婚。木嶋被告は、「妻」になってからは目に見える景色も変わり、毎日がとても新鮮だという。

「独身時代には人ごとだったニュースも、夫と義理の息子や娘ができてからは、主婦向けの情報さえ真剣に読むようになりました。こんなに心の平安を感じられるなら、もっと早く結婚をすればよかったと思っています。喜怒哀楽の積み重ねで絆が強まり、新しい家族となるプロセスを体感しています。これ以上の純愛ってないでしょう?」

 拘置されている東京拘置所で本誌記者との面会に応じた木嶋被告は、血色もよく、元気そうな様子だった。最近は、結婚式の代わりとして木嶋家とAさんの家族を引き合わせるために、もっぱら双方へ手紙を書いて過ごしているとか。

 また、Aさんには「なるべく週1で会いたい」と、面会に来てくれるように頼んでいるそうだ。しかし働き盛りの夫は仕事が忙しく、「(週1ペースは)かなりきつい」とこぼしているとのこと。彼は、結婚をして5キロやせたという。

 獄中にあっても、もちろん婚姻の自由はある。しかし、木嶋被告はいまだ決着のついていない殺人事件の裁判の渦中にある身だ。被害者遺族の心情を慮れば、不謹慎のそしりは免れないだろう。

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