「長男の6年間の小学校生活は、意外と早かったですね。あっという間でした。ついこの間、ランドセルを買ったばかりのような気がするんですが……」と語るのは、元マラソン選手の松野明美(46)。現在、郷里の熊本県で市議会議員を務めている彼女は’02年に結婚。同年生まれた長男・輝仁くん(12)は小学校を卒業した。

「輝仁は、バレンタインデーでもチョコレートを4~5個ももらってくるような“ややイケメン”に成長しています(笑)。今はサッカーに夢中で、クラブチームの練習を終えて家に帰ってくるのは夜の10時。試合や練習で、ほぼ毎日サッカー漬けの生活です」

長男の翌年に生まれた次男・健太郎くん(11)は、ダウン症だった(’08年に公表)。健太郎くんは心臓にも病を抱え、小さいころは次男の世話にかかりきりだったという。「非常に寂しい思いをさせたなと、いま後悔しているところです」と松野は振り返る。

「小学校の低学年のころは『弟と一緒にいたくない』とか『弟と一緒にいたら(他の子たちと)遊べない』とか言っていましたね。長男は弟に対して、もどかしいというか、どうしてなんだという気持ちがあったと思います。お兄ちゃんには、テレビ番組で次男のことを告白するまでは直接、教えてはいなかったんですよ。でも弟が“成長が遅い”ことや“勉強もなかなかついていけない”ということを、長男は自分で理解したんだと思います」

 そんな長男にも、次第に変化が……。

「小学4年くらいになると、弟のことをわかってもらおうと『健太郎には、障害があるけど、一緒に仲良くなってね』と友人に声をかけてくれるようになったんです。作文にも『健太郎が大好き。幸せになるためにダウン症になって生まれてきたんだ』と書いているんですよ。自分で悩んで理解してきたんですね。そういうのを見ると、成長を感じます。お兄ちゃんが卒業すると、小学校では次男がひとりになるので、心配ではあります。でも次男も、4月からは小学6年生なので乗り越えてもらわないといけませんね」
 
卒業式での長男の姿を、母は感謝の気持ちで見つめたことだろう――。

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