警察広報官の視点から描くドラマ『64』(土曜22時〜/NHK)は、とある地方県警が舞台。昭和64年と平成14年にまたがる2つの誘拐事件を、ピエール瀧(48)演じる元刑事の広報官・三上義信が、事件の真相に迫りつつ、警察組織と記者クラブの間で葛藤し、苦悩するストーリーだ。

「はたして三上という役をできるのか、というのが率直な感情でした。主演に僕を選んだということは、ものすごく本気か、ものすごくふざけているかのどっちかだろう、と(笑)。でも、きっと本気なんだろうなって思うと、そこに対してきちんと返せるのかわからない。膨大な量のセリフに、やったことのないキャラクターですし。でも、二の足は踏まなかったです。仮にダメだったところで、僕が頼んだわけじゃないですからね(笑)」(ピエール・以下同)

 48歳で初の本格ドラマに主演。けれど、大舞台に際してもひるまず、どこか飄飄としたところは、今に始まったことではなさそうだ。かつて出演した映画『ローレライ』の撮影を振り返った感想も、じつに個性的だった。

「『役所広司さんが、なんで俺の目の前にいるのかな?』って思うこともあれば、柳葉敏郎さんを見て、『ギバちゃんじゃん!』って(笑)。日本映画を代表するような方とサシで芝居をすることがあっても、緊張しないんですよ、困ったことに。頭が真っ白になることもない。強い憧れがないからかなあ、役者に。お会いしてアガることがあるとしたら、落合博満さんくらいかな。自分も野球をやってましたから、三冠王3回はすごいですよ」

 強い憧れはない。では、なぜ演じるのか。

「現場に行くための手段です。役者として自分を高めよう、高めていかなければ、というのはあまりなくて。いろんな現場で、いろんなスタッフ、いろんなモノの作り方を見てみたいんですよね。見るためには、セリフを覚えて、現場になじむようなところまで準備していかなくちゃ見られない。スクリーンに映っている自分がうんぬん……ではない。だから、『次はどんな役をやりたいですか?』って聞かれると困るんですよね。欲もないかなあ」

 撮影現場は、その時々でカメラや撮り方が変わり、機材も新しくなり、同じ現場は2つとしてないそうだ。

「ハリウッド映画、ロシア映画、インド映画の現場、それこそ、タイのラジオ局なんかも見てみたい。どんなだろうなあ、ブースってあるのかな、ちゃんと(笑)。フィリピンの声優とか、どうやって録るのか、ちょっと面白そうじゃないですか。そうやって、どこもかしこも見てみたいんですよ」

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