俳優・砂川啓介(78)が51年間連れ添う妻・大山のぶ代(81)の認知症闘病を明かしたのは、5月13日。ゲスト出演したラジオ番組でのことだった。

「いまはもう二分くらい前のことも覚えてないですね」
「お風呂に入りたがらないんですよ。自分が汚れているとか、あまり感じないんじゃないかな」

26年間、人気アニメ『ドラえもん』の声を務めた大山が、重い病に蝕まれている。そんな赤裸々な告白は、日本中に衝撃を与えた。15日、会見に応じた砂川は次のように語った。

「夫婦2人で旅行に行った場所もいっぱいあるのに、(アルバムを見ても)『わかんない』って。僕が料理をしていると、『何かやることない?』って時々聞いてくるんです。『何もないから』と答えると、そばで僕が作っているのを見ているんですね。病気になるまでは、彼女は僕にとって姉とか母とかいう感覚だったのですが、いまはヤンチャな幼い娘ができたように思います。すごく愛おしさを感じるんです……」

 子供のいない2人きりの夫婦だけに、大山も砂川も老後については、真剣に考えていた。大山は’01年、本誌の取材にこんな“夫婦の約束”を明かしていた。

「1つは老後に向けてめいっぱいオシャレしていこう。もう1つは“アレ”とか“コレ”とか代名詞を使わず、キチンと言葉を言おう。わからないときは辞書をひくって」
 
家事をいっさいしなかった砂川が50歳になったとき大山は料理を教えたのだが、それも「ボケ防止のために」と説得したのだという。なんと夫妻の認知症予防は28年も前から始まっていたのだ。

また大山が、“脳にもいい!”と、絶賛していたのがゲーム『アルカノイド』だ。ブロック崩しの一種で、大山はゲームセンターに置いてあるような大きなマシンを購入し、静岡県内の別荘に置いていた。だが、東京・高田馬場のゲームセンター『ミカド』の池田稔代表は言う。

「大山さんのアルカノイドをうちの店に引き取ってほしいというお話があったのは昨年8月のことでした。理由については、脳梗塞の後遺症で体調が悪くなってゲームをしなくなっていたから、そして別荘を引き払うから、と聞いていました。8月下旬に別荘まで引き取りに伺い、砂川さんに対応していただきました。大山さんは体調を崩されて2階で寝ているということでしたが、それでも私どもが引き上げるころには降りてこられ、『引き取ってくれて、ありがとう』と……」
 
自宅には置き石やぬいぐるみなど、数十体のドラえもんがいるという。彼らに見守られながら、砂川と“幼い娘”に戻った大山の生活は続いている――。

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