「女形は泣き崩れているように見えて、ちゃんと絵になってないといけない。その難しさが歌舞伎をやっていてよかったな、と思う部分ですし、やりがいがあります。一生稽古だ、一生修行だって言いますけど、あれは嘘じゃないなって」

 そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第41回のゲスト、歌舞伎役者・中村七之助さん(32)。東京・浅草で兄弟だけで初めて行う「平成中村座」を終えた数日後、歌舞伎座の稽古場にて、もともと付き合いのある中山と男同士、語り合いました。

中山「結婚観はどうでしょう」

七之助「今は結婚願望はありませんが、若いときは早く結婚したかったです。母が若くして僕たちを産んだので、授業参観に来ると、友達に『お前の母ちゃん若いな』って言われ、『そんなことねえよ』と返すのがちょっとうれしくて。若い夫婦に憧れがありましたが、あれよあれよのうちに30代に。もういいかなと(笑)」

中山「そうなると電撃的なものだね」

七之助「『ビビビ』ですか。僕はそれがありませんが、秀さんはありましたか?」

中山「妻には『ビビビ』がありましたね。妻もそう思ったみたいです。出会って、2年半ぶりくらいに会って。そのときは、まだ付き合ってなかったんですけど」

七之助「そういうのいいな!相手を好きになって付き合うことはありましたけど、いまだかつて『ビビビ』はなかったです。だってすごいじゃないですか、付き合ってないのに。連絡はどうしていたのですか?」

中山「電話番号を聞いたくらいですね」

七之助「携帯電話やLINEで簡単に連絡がとれるっていうことが、『ビビビ』を世の中からなくしているのかも」

中山「たしかに、電話をかけるドキドキ感はなくなってるかもしれないね。昔は家の電話だから、お父さんが出ることもあったし、あまり遅い時間はかけられない。だから思いが募っていくのかな」

七之助「明日の朝になったらメールを読んでくれるかな、とかないですもんね」

中山「分散して気持ちが伝わりすぎちゃう」

七之助「これから好きな人ができたら連絡をあまりとらないようにします。でも、“スマホが『ビビビ』をなくした説”は僕が思っただけで、今でもあるんでしょうね」

中山「携帯電話があっても、素敵な出会いがあると信じて(笑)」