「イングランドに勝って決勝進出を決めた後、澤選手が目に涙を浮かべていたんです。彼女が泣くなんて、初めて見ました。それだけ今大会への思いが強かったということでしょう」(サッカー関係者)

 W杯2大会連続で決勝戦に臨んだサッカー日本代表『なでしこジャパン』。そんな『なでしこ』を語る上で外せないのが、22年間日の丸を背負ってきた澤穂希(36)。彼女は最後のW杯となる今大会に、並々ならぬ決意で臨んでいたという。

「佐々木則夫監督は、調子の上がらない澤選手の処遇に苦慮していました。彼女はチームメイトにとっていなくてはならない精神的支柱。下手な扱いをしては、士気にかかわってくるからです。それでも大会直前、監督は意を決して『控えに回ってもらうかもしれない』と伝えたそうです。反発されることも予想されましたが、彼女は『わかりました……』と静かに頷いたそうです」(前出・サッカー関係者)

 それはレジェンドと呼ばれた澤にとって、初めての経験だった。普通なら、モチベーションが低下してもおかしくない采配。しかし彼女は「すべては勝つため」と語り、サブとしてチームに貢献する道を受け入れたという。

「今大会での澤選手は、ベンチにいる機会も多かった。しかし彼女は嫌な顔もせず選手に渡すドリンクや氷袋を準備するなど、裏方の仕事を率先してこなしていました。そしてピッチに立った際には、全力でプレーをしていました。はやり澤選手がいるとほかのメンバーの動きも良くなってくる。なでしこの結束力は世界一と評されていますが、それは彼女の“チーム第一”の姿勢がなければ生まれなかったでしょう」(前出・サッカー関係者)

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