7月6日に行われた、サッカーW杯の決勝戦。『なでしこジャパン』の新星エース・岩渕真奈(22)は、最年少メンバーながらも懸命にピッチを駆け回っていた。
大会直前には右ひざを負傷し、グループリーグ出場が絶望視されていた彼女。だが奇跡のカムバックを果たし、準々決勝のオーストラリア戦では値千金のゴールを決めている。
「あの得点でようやく“なでしこ”の一員になれた気がして嬉しかった。よくまあ、あんな小さい体であそこまで活躍できるもんだと、家族ながら感心していますよ」
と語るのは、岩渕の祖父・都記男さん(82)だ。もともと幼いころはバレエやピアノやバイオリンなど“お嬢様”のような習いごとをしていたという岩渕。だが兄でサッカー選手の岩渕良太(25)に影響され、サッカーにのめり込んでいった。
「きれいな衣装を着せて写真に収まるような子ではなくてね。母の制止も聞かず、いつも裸足で駆け回っていました。兄の影響でサッカーを始めたのですが、母親は『女子だから続くはずもない』と考えていたんです。でもトントン拍子に代表入りして、今ではドイツリーグに移籍してしまった。今後はフランスやアメリカのリーグにも挑戦したいそうで、『世界の強豪を知っていれば日本代表の力になれる』と語っていましたね」
将来の女子サッカーを担う存在でもある岩渕。その視線は、すでに4年後へと向かっている――。
「写真:aflo」